しまうま倶楽部/カルチノイドと神経内分泌腫瘍患者と家族のために
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●放射性核種治療(PRRT)の現在

ヨーロッパでは、ここ10年あまり、進行したカルチノイドおよび神経内分泌腫瘍の手術不適応の患者に対する標準治療としてPRRT(放射性核種治療)が行われています。PRRTに関する論文は2008年のASCO掲載のオランダの論文や、ドイツのものがありますので、ご希望の方は管理人までメールをください。

実施しているのはスエーデン、イタリア、オランダ、ドイツ、スイスの5カ国
そして、アメリカのテキサス州ヒューストン所在の
Excel Diagnostics & Nuclear Oncology Centerにて治験募集中。
(日本人が応募できるかどうかまだ不明です)

●「PRRT・Peptide Receptor Radionuclide Therapy についての説明」

ある種のペプチド(この場合はPeptide DOTATOC)は、内分泌腫瘍と結びつきやすい性質を持っています。それを利用して、細胞破壊効果を持つ放射性物質(Yttrium-90またはLu-177)を合わせた薬剤を体内に投与することによって、放射性物質がガン細胞に集積し、それを破壊し始めるという治療法です。
抗がん剤や放射線治療のように、周りの健康な細胞まで破壊するというリスクが少なく、患者にとって苦痛の少ない治療法です。
ただし、この治療を受けるためには、事前にソマトスタチンの集積率が高いことが条件になるため、オクトレオスキャン(ソマトスタチンシンチグラフィー)という核医学の検査を受けるように指示されます。

ペプチドDOTATOCはソマトスタチン受容体の鍵です。DOTATOCはソマトスタチン受容体に対して高い親和性を持っており、治療に用いる放射性同位体に連結されます。放射性同位体で識別されたペプチド境界から腫瘍細胞へ放射された放射線は、腫瘍と近隣の細胞を殺します。イットリウム-90-DOTATOCは静脈に注入され、数分以内に腫瘍に連結します。この放射線自体はわずか5ミリ四方の範囲にだけ作用し、他の健康な細胞や組織を傷つけることがありません。
考慮すべき副作用としては、患者の20%の人で、静脈注射後5分以内に吐き気を感じる人がいます。また、骨髄抑制がわずかに起きますが6週間以内に治まります。

このように放射性同位体を体内に取り込ませるために、患者は3日間病室に隔離されます。洗面、シャワー、トイレなどが病室に完備した施設が必要です。
体内から排出されたことを確認し、2日目の夕方以降は外出が許可されます。

排泄物、体液、患者が使用した食器などは完全に一般病棟のものとは区別され、放射性物質が除去されるまで一定の期間保管され、その後処理されます。

●残念なことに、国外でこの治療を受けたい場合に、オクトレオスキャン(ソマトスタチンシンチグラフィー)を受けることが条件とされていますが、日本ではこの検査自体が未承認のため、殆どの病院では受けることができません。

こうした放射性物質の取り扱いや、保管、管理(およそ2日で程度で使えなくなる)ためなのか、また、入院施設の設備投資に費用がかかるためなのか、薬剤の輸入の手間のためなのか・・・・
日本ではこの治療自体がまったく検討の対象になっていません。
ひとつには、私たちの病気自体が稀少なために、患者数が少なく、研究開発に投資してもその費用が回収できないため、製薬会社も乗り気でないこと。
そして、総合病院レベルでも、取り扱った症例が少ないために、専門医が限られていることや、膵ガンとの識別に有効な腫瘍マーカーである血中クロモグラニンAの検査も未承認という現状があります。

●実施病院 ロンドンを追加

スイス、バーゼルの連絡先
E-mail : 宛先は Brigit Avisさんへ  bavis@uhbs.ch
Assistant to PD Dr. Dr. Flavio Forrer
Nuclear Medicine
University Hospital Basel
Petersgraben 4, CH-4031 Basel

Phone +41 61 265 47 04
Fax +41 61 265 49 25

ドイツ、バードベルカの連絡先
Professor Dr. Richard P. Baum
Chairman and Director,
Dept. of Nuclear Medicine / Center for PET/CT
Zentralklinik Bad Berka
99437 Bad Berka, Germany
Tel. +49 364 585 2200
Fax +49 364 585 3515
Email: info@rpbaum.de
www.zentralklinik-bad-berka.de

オランダ、ロッテルダムの連絡先
Dr. BLR Kam
Attention PRRT
Dept of Nuclear Medicine
Erasmus Medical Center Rotterdam
's Gravendijkwal 230
3015 CE Rotterdam
the Netherlands
Eメール:b.kam@erasmusmc.nl

スウェーデン、ウブサラの連絡先
Dr. Kjell Öberg
University Hospital
Entrance 40 5th floor
S 75185 Uppsala Sweden
Eメール: kjell.oberg@medsci.uu.se


これらの病院情報はSF在住のまことさんから提供していただきました。

治療を希望する際に、必ず要求されるのは最近のオクトリオスキャン(ソマトスタチン受容体シンチグラフィー)の結果です。
CTスキャンのようなものですが、こちらでは核医学科の管轄で行われています。このスキャンで内分泌腫瘍のソマトスタチン受容体の密度、集積率が分かります。
この密度が高くないと、放射線物質ががん細胞のところに集まらないので治療の効果がなく、PRRTの対象にならないようです。

■ご希望の方には2008ASCOに掲載された記事のファイル(KWEKKEBOOM)をメー ル添付で送ります。
 主治医の方に見てもらってみてはいかがでしょうか?

■もうひとつ、バーゼル大学病院の患者向けインフォメーションもあります。(Behandlungsvollmach-90Y-englisch)はスイスの病院が送ってくれたPRRT治療の概要です。
これも英語ですが、簡潔で分かりやすいので、こちらは万人向けだと思います。


●PRRTの治療費について
場所によって開きがあります。
どれも薬、検査、入院費を含んでいます。
ひとつ違いがあれば、薬の種類です。
今のところこの治療に使っている放射性核種は2種類あり、
スイス、ドイツで使っているより強力な「Y-90」と、
オランダで使っているちょっと弱めの「Lu-177」です。
オランダでは基本的にこの薬が2ヶ月おきに計4回投与されるようです。
そのために、4回オランダまで行かなければならず、
費用は2500x4回分で10000ユーロとなります。



●患者の病状により、「Y-90」は使用できない場合もあるのでご注意ください。


●「Y-90」の場合は、基本的に治療は2回です。
9240スイスフラン(6300ユーロくらい)x2になります。(2009年現在)
スイスではLu-177も受けられるようですが、そちらは少し費用が安くなるみたいです。




●今年の8月にロンドンにてPRRTを体験されたYさんの記事をリンクします。詳しくはお問い合せください。
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